無雪期アルパイン@錫杖岳 注文の多い料理店

山行名:無雪期アルパイン@錫杖岳 注文の多い料理店
日程:2023年7月31日(月)
メンバー:H本、S家

【アプローチ】
新穂高の湯の登山口のポストに計画書を投函。
日頃の不摂生&久しぶりの山登りに序盤から滝汗が出て全身ビチョ濡れ。
クリヤ谷の渡渉も水量少なく問題なし。
錫杖沢左岸にある踏み跡を辿る。風の無い樹林帯で急登なのでしんどい。休憩を頻繁に入れたので、取り付きまで3時間もかかった。
【1ピッチ/30m】
必要な荷物だけサブザックに入れてフォローが担ぐことにした。
階段状だがプロテクションが全然取れないのでかなりランナウトしてしまう。気持ち程度にカムを2ヶ所ほどセット。落ちないと思うが精神的にきつかったので2ピッチ目は継続せず、広いテラスでピッチを切る。
【2ピッチ/20m】
1ピッチ目と繋げられそうだったが、初見なのでトポ通りに。
1ピッチ終了テラスを1段下りフレーク状を左上する。ここは無理にクラック沿いに登らずフェイスを意識して登った。フレークが終わりそのまま少し左上し、その後直登。四角い岩を乗り越すのが面倒だったので、体を外に放り出さないといけなく高度感は半端ないが回り込んで終了点へ。
【3ピッチ】
本ルート核心のハング越え。残置カムがあったがそれは無視して自分で新たに#4を設置。足の置き場はあるので思い切ってレイバックで上がって行く。その後傾斜が緩むが侮れないクラック。ここにも#5のカムが残置。今度は遠慮なく使う。
お地蔵テラスが狭そうなのでそこでピッチを切らず続けて登ることに。ハングっぽいが右のフェイスを使い弱点をついて越えることができる。後続の為にハングを超えた後に#5をセット。そこからワイドクラックだが手足あり、ニーバーも決まり快適。そこからトラバースして水平テラスでピッチを切った。
【4ピッチ】
ダブルクラックからフェイス、スラブ。どれも手足有りでグングン登れる。
ただし、屈曲するのでロープの流れを考えてプロテクションを取らないとロープがかなり重くなる。ここのクラックにも残置カムがあったような。
登り終えると左方カンテルートと合流。
【5ピッチ】
今にも岩が剥がれそうなスラブを登り簡単なフェイス&歩き。
【6ピッチ】※今回は登らず。
簡単な岩登りと歩き。
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Sさんを誘い、以前から登りたかった錫杖岳・前衛壁フランケ『注文の多い料理店 5.9』を登ってきた。
Sさんの登攀能力と体力に不安があったが「Hさんがオールリードしてくれるなら、何とか這い上がります」と嬉しい言葉をもらっていたので遠慮なく計画書を作成し、装備の確認もし、準備は整った。
さて、今回の『注文の多い料理店』は、ほぼナチュラルプロテクションのルートで今の自分の技量を測るのにもってこいと思っていて今年中に登りたいルートだったので本当にナイスタイミングだった。しかもオールリードと来た。これは美味しい。
超人気ルートなのでネットで検索すればブログやYouTubeなどで情報はわんさか出てくる。私も淳つさんのYouTubeを何度も観ていて憧れていたルートなので登る前からルートの概要は熟知していた。が、登れるか不安も多く、更に良くに調べた。なので案の定、登ってる時も初見感はあまりなく新鮮味はなかったが落ち着いて登ることができた。前もってルートの概要がわかってしまうのが良いのか悪いのか分からないが、便利な世の中だ。しかし映像を見るだけと実際に登るのとでは天と地の差があるので、やはり自分の力(リード)で登ってナンボというのは変わらないと思う。

今回は天気も夏真っ盛りの快晴だったが、このルート、午前中は日陰になるようで涼しく快適だった。
技術的には特に問題もなく、恐怖感もあまりなく落ち着いて登れた。
3ピッチ目最初のハング越えが体の体勢を整えるのに手間取り少しジタバタしたが、それ以外は落ちる気が全くしなく楽しかった。岩も乾いてフリクションも良く安定感抜群。
しかしSさんはかなり難儀したようでテンション&フォール祭り。宣言通りあの手この手で無理矢理這い上がってきたが、5ピッチ目が終わったその顔は死人のようだった。
最後、左方カンテと合流し、最後の2ピッチ。まずがスラブを私はちゃちゃっと登りSさんを待つがなかなか登って来ない。覗き込むと岩に張り付いてぐったりとしてピクリとも動かない。。。
「あかん、これ以上登ったら逝ってまいよる」
この時点で最終ピッチは諦め下山を開始した。
Sさんの技術と体力がもう少しあれば最終ピッチを登り、前衛壁上部の台地から穂高の絶景が見られたと思うのが、今回それはならず。絶景を見せることができなかったのが残念。
「体力をつけてまた来れば登りに来ような」と言ったら「もう二度と来ない」と(笑)登攀時も最初から荷物も担いであげれば良かったかもと反省。
帰りもふらっふらだったので仕方ないのでSさんのロープとカム一式を歩荷して何とか下山完了。
風呂も夕食もいらないと、帰りの車中ではSさんはぐったりとしていた(笑)
明日から1ヶ月、大事な会議や海外出張、海外旅行、北アルプス遠征など怒涛のスケジュールらしいが大丈夫かな?
今回は急な誘いにかかわらず来てくれて本当にありがとうございました!

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