沢登り@鈴鹿 滝洞谷

山行名:沢登り@鈴鹿 滝洞谷
日時:2019年6月9日(日)
メンバー :I村 Sモア 他2
ルート概要:
06:29スタート地点-07:00洞窟ゴルジュ08:10-09:40井戸底ゴルジュ12:10-12:40迷路ゴルジュ13:30-13:54出渓地点-15:23茶野15:28-16:36茶野登山口-17:03ゴール地点

 

今回はシーズン始めながら腕試しということで、鈴鹿再難と言われる滝洞谷へ。
下調べしているとやはり難しそうでモチベーションはあんまり上がらず。
なんとか気持ちを奮い立たせ、最近お馴染みとなりつつあるTヒロさんを東京から迎え、I村上閣下、岩峰会のK野きゅんの強力布陣で望む。

もともと予定していた土曜は天気が悪く日曜に延期。
K野きゅんのいる彦根まで、白山にいくK川に送ってもらい、荷物を乗せ替えて大君ヶ畑の集落へ向かい、滝洞谷にかかる橋の右岸に走る道を進んで墓地横の駐車場へ。少し入口が分かりにくかった。

既に到着していた閣下と合流し、適当に準備して出発。ちなみに三人はラバーソールで1人はフェルト。

さっそくの水の枯れた沢が迎えてくれる。言うてる間に収束してゴルジュっぽくなるのだが、なにやら臭い。
よくよく足元を見るとシカの死体が転がっている。
噂には聞いていたが早速だ。少し先へ進むと釜が出てきて浸からなければ進めないが釜も異様なにほひ。いきなりこんな釜に浸かるのは嫌なので右岸から巻くことに。
適当に上がって立木から懸垂してゴルジュの中に降り立つ。
そこにもシカボーンが二つほど。そのさきにはカエルの死体が浮く釜もあり、さながらデスバレーだ。

カエル釜を交わして滑り台状の滝を越えると両岸が直下立ち、第一の核心、洞窟ゴルジュとなる。
左岸のつるつる岩壁に走るクラックのハーケンにアブミをかけての人工登攀での攻略となる。

I村閣下にリードをお願いし、ギアの確認をしている最中、ヌンチャクを一つ釜にポチャン。
運悪くポットホール状で一番深いところへ行ってしまう。
回収のためにはくそ汚い水の中に首まで浸からなければならない。いろいろ考えたが泣く泣く諦めることに。

そんなこんなで幸先の悪いスタートだが、リード自体は確実にこなして順調に進んでいく。
リードのみ空身でザックは吊り上げ。
ハーケンが遠いところや微妙なところにはナッツやトライカムを追加しながら、アブミをかけて登っていき無事終了。
確保支点は残置ハーケン、トライカムとカムでしっかりとる。
後続のうち二人は人工登はんは初めてだが、安定した動きで登り抜ける。
確保支点のトライカムがなかなか外れずヤキモキしたが、最後は外れて第一の核心は終了。

続くチョックストーンの滝は、まずはI村閣下が空身で突破。
記録通りのヒールフックを駆使したホルダームーブ。
Tヒロさんはショルダー+お助け紐、Sモアは空身、K野きゅんは全荷。

散々、死骸だの臭いだの書いてしまったが、ふと目線を上にあげると、磨かれた石灰岩の造り出すゴルジュは素晴らしい造形で、岩壁や空をおおう緑も相まって美しい景観を作り出している。

時折、ツルッと滑る緑色の部分に気を付けながらゴルジュの中を進んでいく。

3mの滝はホールドスタンスは割りとあるが念のため空身とシュリンゲで簡易確保。

井戸底ゴルジュ手前の滝もスタンスがツルッと行きそうなのでザイルを出す。
リードは空身。支点は滝上の倒木。以外とスタンスはしっかりしていてすんなりいく。

突破を待っていると後ろのほうで落石の音がする。
自然落石かと思っていたが結構な量で、それが近づいてくるような感じ。
しばらくすると今度は滝の向こうのほうで落石の音がする。
別の滝でもそんなことがあり、ゴルジュの上をトラバースして歩いている動物(シカ?)が落としているのではという仮説を立てるが真相はよく分からないまま。

さらに先に進むと細かったゴルジュが拡がると同時に空間を覆うように岩壁が直下立つ。
ここが第二の核心、井戸底ゴルジュだ。果たしてこの井戸からの脱出にどれくらいかかることやら。
一息ついて閣下リードで一段目の攻略開始。

一段目は10mほどで、前半はやや立っていて縦に走るクラックを頼りにできるが、後半はツルんとするのでステンミングを駆使して登り抜ける。
支点はカムやナッツでとりながら。終了点は角岩にかかっている残置スリング。

リードを含めて全員空身でザック吊り上げ。
前半は立ち気味で、後半はホールドスタンスが少なくなるのでなかなか怖い。
リードした閣下はさすがだが、ステミングが多く少し疲れたようだ。

さらに核心部は続き釜を備えた10mの滝が現れる。
左岸のツルんとした岩を人工登攀でいくのだが、それよりも何よりも釜に入らなければならない。
よくよく見ると鶏ガラみたいなというか鳥の死骸が釜の中にあり一つや二つではなく10匹くらいいる。もちろん臭い…

リードで最初に釜に入るK野きゅんが萎えた声を上げながら側壁に取り付く。
おちたら釜にぼちゃんで死にはしないけど病気になりそうた。

1本目の残置ハーケンは少し高いところにあり、そこまではクラックに支点を打ち足さなければならない。
最初は小さいカムを使っていたがうまいこと決まらず、ナッツ・ボールナッツ、時折スカイフックを使いながらアブミを使って登っていく。側壁からリッジを回り込んで滝上に抜けていく。
どうやら一部遠いところと、最後のほうが難しいようだ。
終了点は奥のほうのクラックにカムを決めているのと、残置ハーケンでバックアップという感じだ。

実際に登ってみると、中間支点自体はうまこととれていてアブミをかけて登っていける。
ただ1か所決まり具合が微妙なカムはあとで抜けてしまった。リッジを回り込んでからは残置ハーケンがいくつかあり、そこにボールナッツやスカイフックを足している感じ。
一か所遠いところがあったが、なんとか届く範囲だ。
最後のアブミからは少し斜度のあるツルんとしたところを抜けて滝上にでなければならない。
ぬるぬるしているところ意を決しってステンミングちっくに登りぬけて終了。
1段目に引き続きなかなかに緊張した。
人工登攀になれてきたこともあって、リードを含め全員全荷で抜ける。これで今回最大の核心は終了。

ホッと一息ついて先に進むが、続くチョックストーンの滝の手前は再びの釜。
井戸底ほど汚くはないがやはり臭い。悲鳴を上げながら取り付く。滝自体はすんなり超えれる。
続く5mの滝も右岸側からバンド沿いに登っていきスムーズに抜ける。

ゴルジュの中を進むと三度行く手を阻むように反り立つ岩壁。
3つ目の核心、迷路ゴルジュだ。これまでのゴルジュに比べると開けていて明るい感じ。
入口の滝は下段がホールドスタンス豊富で、上段はゆるいもののツルんとしていて支点が取れなさそう。
閣下にリードでいってもらう。下段はすんなり抜けるが、上段に上がる前に残置ハーケンで中間支点をとってからはかなりのランナウトになる。
ツルツルのところ慎重にフリクションを確認、時にはタワシでヌメりを落としたしてなんとか安定したところへ。確保支点はカムでとっていた。

フリクションへの自信次第で難易度は変わる気がするが全員無事突破。
さあ、3段25mと思っていたが滝の中に瓦礫が詰まっていて簡単に上のほうまで行くことができ、出口に滝もステミングを駆使して割と簡単に抜けれてしまう。
昨年の台風の影響か、迷路ゴルジュの滝の核心部は埋まってしまい簡単になってしまったようだ。
拍子抜けだが今回の核心部分はすべて終了。

迷路ゴルジュの上にも釜持ちの滝があったが、釜には入りたくないので、左岸から巻いて立木で懸垂。

そこを抜けるとゴルジュも終わり、穏やかな渓相となり水も流れ始める。
ここにきての奇麗な流水は心が洗われるよう。バシャバシャと水浴びをして汚れを洗い流す。
あとは単調な河原歩きをこなし、適当なところから右岸側の急な尾根を登っていき、小一時間くらいで茶畑にでる。
ヤマシャクヤクが多くてなかなかきれい。茶畑からは天気は良くないものの山深さを感じられる。

あとはピンクテープをたどって尾根筋を下ろしていく。
送電線を過ぎるまでは夏道は不明瞭。送電線からははっきりとした道を下ろして大君ヶ畑へ下山。

駐車場に戻って足回りの装備を外してみるといるわいるわ大量のヒル。
本当にたくさんついていて、知らずに何か所か吸われているメンバーも。
持ち帰らないように丁重に処分して、荷物を片して東近江の温泉へ。

今回の温泉は本当に洗われた感じがして気分爽快。
その後は白山から舞い戻ってきたK川と合流して彦根の中華料理屋で慰労会。
いろいろ大変だったが、シーズンの初めのほうに手強い沢を遡行することができ自信につながった。どんどんステップアップしていこう。
こうして悲喜こもごもの滝洞谷遡行は幕を閉じた。

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