沢登り@柿其渓谷(木曽川水系)
山行名:沢登り@柿其渓谷(木曽川水系)
日時:2016年9月2日(金)夜発~3日(土)
メンバー:K田 K川 T柳
ルート概要
7:00柿其渓谷駐車場~8:30ねじだる~10:45霞ヶ滝~11:30虹ヶ滝~14:00雷の滝~15:10駐車場
2日
そろそろ、ずぶ濡れになる沢に行くのは厳しくなってくるかなと思い、大峰の葛川本流を計画するも、突如発生した台風12号の影響で、近畿南部は雨模様。
台風の影響から逃れるように甲信方面の、柿其渓谷で、当初の目的である泳ぎの沢堪能を目論む。
名神→中央道と進み中津川ICから賤母の道の駅に行ってC0。
3日
翌朝、空は青空。朝御飯を頬張りながら30分ほどで柿其渓谷の駐車場へ。
しっかり防水を施し、ライフジャケットを着用する。駐車場の釣師によると水量は少なめのようだ。
さて、最初は恋路橋という吊り橋を渡る。しっかりした吊り橋なので吊り橋効果は期待できなさそう。
牛ノ滝まで遊歩道を歩く。白い花崗岩に美しく水が流れ、期待が膨らむ。
牛ノ滝はなかなか巨大。展望台から見る限りでもとうてい登れそうにない。入渓は、展望台から少し遊歩道を登ったところから踏み跡で牛ノ滝を巻いて沢身に降りる。
踏み跡自体はそこそこしっかりしているが、急な斜面をトラバースするので滑落は注意。
降りたところは落ち口のちょい上の岩棚。沢身に下ろしやすいところへは、倒木を伝って移動した。
深みがあったり白波立っていたり期待通りの渓相。
さっそく、胸まで浸かりうれしい悲鳴をあげながら、白波立っているところの水流に負けじと進む。
水温も思ったほど冷たくはない。
花崗岩が優先するこの沢はラバーソールががっちり効いていい感じ。開けて燦々と朝陽が差し込み、淵や花崗岩が輝く中を進んでいくと両岸が切り立ち、ほどなく3mほどの滝が現れる。ねじだるの始まりのようだ。
最初の滝は登るのは困難そうに見えるが、とりあえずとりついてみようと、淵を泳いでいく。右往左往した結果、結局登れず、おとなしく右岸から巻く。
続く淵を泳いで突破していくと、5mほどの左岸がつるんとした滝が現れる。ここはザイルを出す。
水際から上がり、岩棚を少し登り、クラックの細かいホールドを頼りに微妙なへつりで突破。
すぐさま8mの滝が懸かる。この滝は手前の岩棚を登って簡単越えられる。
途中、小さいマムシがいた。寝ていたところを起こしてしまったのが小さい口を開けて警戒の姿勢。ごめんよ。
続いては5mの滝。これも流心近くの直登は難しく、手前から巻き気味に登る。この滝でねじだるはおしまい。ゴルジュも一旦終りとなる。
いつまにか、空には雲がなくなり快晴。本当に気持ちのいい夏沢遡行となってきた。
開けたところは本当に明るくて気持ちが良い。美しい淵を思い思いに泳ぎ、小さい段差は水流に負けじと登る。
再び両岸が切り立ってきて、赤い岩壁なんかを見つつ進んでいくと、一際大きな滝が迎えてくれる。
牛ノ滝とならんで大きい霞ヶ滝。ネットの記録では右岸を直登している人もいるが、落ち口付近がとても難しそう。とてもじゃないが登れない。ひとしきり釜で遊んで巻きにかかり。
手前の1mほどの段差まで戻って、微沢を登って遊歩道の展望台へ出る。遊歩道を少し歩いて、切れ落ちてくる手前で灌木を掴みながら沢身に下ろす。落石に注意しながら、段差を降ろして沢に復帰。
少し進むとすだれ状の4mの滝。当然ながら釜を泳いで取り付くのだが、これも水流が強く手強い。
すだれ状の部分も登れそうで登れない。ちなみにすだれ状は裏から見ることもできておもしろい。
K川がひときわ強い流れを勢いで横切って、ガバホールドを掴んで突破した。
美しい渓相を楽しみながら虹ヶ滝を見送ると、大きな一枚岩を勢い良く水流が流れている箇所が出てくる。
別に簡単に横を歩いていけるのだが、せっかくなので突破にかかる。足で突っ張ろうにも水流が強く足が持っていかれるので、一旦ザックを外し、マントリングの要領で、一枚岩に体を乗せて水流を避けるように足で体を支えながら突破。
ついでにウォーターシュートしてみると、水流の勢いのせいか水面を走るようにシュートして楽しい。一粒で二度美味しいとはこのことだ。
ちょうど中間地点の橋にさしかかる。橋の下はゴルジュとなっていて函淵と呼ばれているようだ。
ゴルジュの岩壁には大穴が空いていて、なんとか這い上がろうとするもうまく行かず。あと20cm水量があれば、簡単に上がれそうだ。
その後も、開けたりゴルジュ地形となったりを繰り返す。時折、頭上には遊歩道やかつての林道用のトロッコの橋、吊橋なんかがかかっていたりする。
思い思いに淵を泳ぎ飛沫弾ける瀑布を突破していく。
ふと日なたの岩で休憩していると、ミヤマクワガタが飛んできた。甲羅干しをして体を温めた後に、水に入るときはなかなか冷たいが泳ぎ続けると気にならなくなる。
そろそろ出渓も近いなと思いながら進んでいくと、一際大きな釜をもった連瀑が現れる。釜の水流を横切って、瀑布を登って突破すると流れが平凡になる。
適当に左岸に入ると林道に出る。そこには雷の滝の文字が。ちょうど狙っていたところでの出渓。
あとは林道を歩くだけだが、ときおり覗き込むと、さっき泳いでいた釜などが見れる。
函淵、虹ヶ滝、霞ヶ滝、ねじだるの看板を見ながら歩くのは答え合わせのようだ。
そんなこんなで、入山口まで。本当に気持ちがいい楽しい遡行だった。
下山後は、柿其温泉で汗を流し、賤母の道の駅で栗きんとん大福に舌鼓を打ち帰京。
山科の熟豚のとんかつで失ったカロリーを補充して山行の締めくくりとした。