冬期アルパイン@八ヶ岳 赤岳主稜
冬期アルパイン@八ヶ岳 赤岳主稜
日時:2019年1月19日
メンバー:Sモア K川
04:36駐車場-05:16美濃戸山荘-07:20行者小屋08:01-09:21主稜取付-10:51上部岩壁-11:25赤岳頂上山荘12:19-12:53文三郎尾根分岐-13:41行者小屋-15:52ゴール地点
赤岳主稜は全部で区切り方にもよるが8p(1~4pが下部、5~8p)くらい
基本的にホールドスタンス豊富なのでダブルアックスよりかは、バイル1本くらいがちょうどいいと思う。
ザイルを出した方がいいのは1ピッチ、2ピッチと上部岩壁の5ピッチとパーティによっては7ピッチ。
我々は50mダブルザイル2本で行ったがシングルで行くパーティもいた。
中間支点は1ピッチ目以外は多いわけではなく、2ピッチ目は小さめのカム(0.2くらい)があるといい感じで取れる。
残置ハーケンにヌンチャクやピナクルにシュリンゲをかけたりで取れるが、残置は少な目なのでハーケンを何枚か持っていくのが吉
年を越してようやく冬季アルパイン初め。
今年は目標を定めてアルパインをステップアップしていこうということで一発目は赤岳主稜へ。
いつもは阿弥陀北稜からスタートなのでちょいスタートとしてはランクアップか。
前回は悪天に悩まされたが今回は大丈夫そう。
京都から車を走らせ美濃戸まで行くも明らかに雪が少ない。12月でももうちょいあったんじゃない?というくらいだ。
まだまだ暗い中を林道、美濃戸山荘、登山道と歩いていく。
林道は雪は無いものの凍結はしている。
行者小屋の手前あたりから明るくなってきてかっこいい阿弥陀岳を望むことができるが、やっぱり雪が少ない。
そんなこんなで行者小屋到着。しかしちょっと薄着で歩きすぎたせいでsamoaは体が冷えきってしまい、小屋で少し暖を取らせてもらう。反省。
登はん具を着けて文三郎尾根目指して登っていくうちに体もどんどん暖かくなり調子も回復。
文三郎尾根はノーマルルートを目指すパーティのみで赤岳主稜に取りついているパーティはおらず行幸だ。
文三郎尾根の最後の階段から少し登ったところからトラバース。
今回はトラバース部分は雪が少ないので雪崩の心配もない。
取り付けでザイルを出して準備。久々のためかザイルを捌くのに手間取る。
1p 30m Ⅲ+
2つのチョックストーンの詰まったルンゼ登り詰めて、右方向に折れてザイルを伸ばして終了点へ
最初、tentyoがやる気を出してリードに挑戦するも久々のためか一歩が出ずsamoaに交代。
チョックストーン左上にバイルを打ち込んで、ホールドにしつつ、ステミング気味に両足を上げていってチョックストーンを越える。
雪の詰まったルンゼを詰め上がり、ルートが曲がるところのピナクルでランニングを取って右方向に歩いていき終了点まで。
チョックストーンの手前には残置ハーケンがあるが、のっこしてからは残置支点は特にない。
2p 25m Ⅲ
1p終了点から多少立っている岩壁を登り、あとは緩いリッジを登りザイルを伸ばす。
出足の岩壁は残置支点よりではなく、左のカンテよりに登ったほうがホールドスタンス豊富。
最初以外は残置支点はないが、小さいサイズのカムがあれば支点を取れるだろう。
終了点があるが、ザイルを目一杯伸ばして、3pまで一気に行った方がスタカットで行く場合は効率がいいかも。
3p 25m
ちょっと岩々しところがあるだけで、特に難しさのない緩いリッジ。ノンザイル。
4p 50m
岩峰が出てくるので、真ん中のルンゼを越える。
初心者ならザイル出すかもくらい。右からも巻けそう。
抜けたあとは雪の急斜を登って上部岩壁の下まで。ノンザイル。
5p 30m Ⅲ
ぶち当たった岩壁を右手から回り込んでバンド状をトラバースし、浅いルンゼを登って岩稜の上に出る。
ルンゼ部分は2p出だしよりホールド少なめ。
岩稜に出たらところどころにあるピナクルを確保支点にできる。
今回はどんなもんかと進んでいくうちに、あ、登れるねという感じでノンザイルで抜けたが、ザイルを出したほうが無難。
浅いルンゼはいくつかあり、一昨年登ったときはもっと残置支点があったので、さらに右手のルンゼを登ったのだろう。
6p 20m
リッジを進んむとルンゼを持った岩峰が出てくる。
真ん中のルンゼと左のルンゼがあり、真ん中のほうが難しそう。
今回は左のルンゼをノンザイルで詰める。真ん中も初心者ならザイルを出す程度だろう。
7p 50m
ルンゼの岩峰を抜けたらあとは歩きやすいところを登っていったら頂上に詰め上がる。
というわけで赤岳山頂へ飛び出す。
前回は4時間くらいかかったが、今回は半分の2時間で終わってしまった。
天気がよかったからから雪が少なかったからか。
前回はガスがすだったので爽快な登はんだった。
振り返れば北アルプスが一望でき、さすがの白さといったところだが、南アルプスや中央アルプス、富士山、そして八ヶ岳連峰そのものは1月だというのに黒々していて、今年の雪の少なさを物語っている。恐るべし暖冬。
小屋の影の風の無いところでポカポカの陽光のもとのんびり休憩して写真なんぞを撮って下山を始める。
ちょうどとなりの南峰リッジを登っている人たちが頂上に着こうというところだった。
格好いい阿弥陀を横目にノーマルルートを下ろしていき、文三郎尾根に入って下ろしていく。
途中、主稜を望むことができる。
丁度下部3ピッチに順番にパーティがいてピッチが分かりやすい。
しばし、全貌を確認して行者小屋に向かって降りていく。
小屋から阿弥陀や西壁を眺めて、続々と来る登山者とすれ違いながらだーっと下ろしていく。
雪が少なくなるまでアイゼンは着けっぱなし。雪がなくなってからもところどころ凍結しており足元注意。
そんなこんなで、美濃戸山荘も通りすぎて駐車場まで一気に歩ききる。
下山も含めてなかなか足に来た。
暮れなずむ八ヶ岳を眺めながらもみの木荘で汗を流す。
あまりにも腹が減っていたのでいつもちょっと楽しみにしている点心をその場で掻き込んで、京都への帰路についた。