夏合宿岩班@滝谷あらため小川山
2025年 夏合宿岩班@滝谷あらため小川山
日程:2025年9月13日(土)~15日(月)
メンバー:CL S山、SL T生、U山、S尾
*夏合宿岩班計画当初(5月中旬時点)の行き先、行程は以下の通りであった。
北穂東稜ゴジラの背(北穂小屋泊)~滝谷ドーム中央稜(穂高岳山荘泊)~ジャンダルム飛騨尾根
→9月11日 荒天予報のため小川山へ転進決定。
※小川山は約700本以上のクライミングルートを有するロッククライミングのメッカである。
BCとなる廻り目平キャンプ場(標高1600m)は金峰山、瑞牆山の登山口でもあることからクライマーばかりでなく一般登山者も多く、また自然に囲まれながらも設備が整っているため避暑地として家族連れのキャンパーも多く訪れている。
【行程】
1日目:父岩、兄岩
2日目:マラ岩、姉岩
3日目:親指岩→午前中で終了し帰京。
1日目はU山氏が絶好調で次々とMOS、FLを繰り出し終いには5.11aをRP。ついに11クライマーの仲間入りをした。
S尾も7月にトライした際は到底ムリと思っていた5.10a課題をRPできてもう満足感でいっぱい。
対照的にどうも本来の調子が出ない様子のS山氏と、久しぶりの外岩で打ちのめされた様子のT生氏。
2日目は気分も新たにマラ岩へ。
マラ岩の天辺にトップアウトする川上小唄でスタートした後、S山氏とU山氏はイレギュラー5.10dに憑かれてギリギリまでトライし続け、ボトルの蓋も開けられないほどになったとか。
T生氏とS尾は登ってみたい!登れるかも!と思う課題に次々とチャレンジし、どうしたら登れるのか試行錯誤したり、クリップが下手くそ過ぎるS尾にT生氏が即席講習を開いてくれたり。
夕方まで登りまくってヘトヘトになりS山氏とS尾は生ビールで、U山氏とT生氏はコーラで乾杯。
夕飯は焼肉、餃子、焼きそばで満腹し焚き火を囲んでまったり。朝はホットサンドとコーヒーでゆったりした時間を満喫。
3日目、最終日は小川山レイバック5.9(トラッドルート)に一番乗り。
S山氏がまさかの弾切れ(カム不足)で途中敗退し、RPを狙うU山氏の指令でなんとしてもトップアウトしてカムを回収しなければならないS尾。
30㎝毎にカムを挿してはA0(カムを掴んで登る)を繰り返して死ぬー助けてーと言いながらトップアウト。下からは誰も助けられませーん、という声が聞こえた。
S尾の決死のカム回収の甲斐あって(⁈)U山氏は華麗にRP。そして再トライのS山氏も大観衆の拍手喝采を浴びながら見事にRP。
離陸に苦しんだT生氏は、待機クライマーが続々と増えてしまい次回へチャレンジ持ち越しとなった。
そんなこんなで4人とも力を出し尽くし大満足で小川山を後にした。
【各自の成果】
MOS(マスターオンサイト):マスタースタイルで(クイックドローをかけながら)初見で完登すること
FL(フラッシュ):事前情報を得た上で、最初のトライで完登すること
RP(レッドポイント):一度以上トライした後に完登すること
TR(トップロープ):セットされたロープを使って登ること
✖:テンションをかけたり、完登できず途中敗退したもの
◎S山
・小川山ストリート 5.10a:MOS
・完璧な父 5.10b:✖✖
・クはクライマーのク 5.10c:✖✖✖
・小川山物語(ストーリー) 5.10a:TR
・川上小唄 5.8:FL
・イレギュラー 5.10d:✖✖✖
・グラッシオ 5.10a:MOS
・卒業試験 5.10b:FL
・小川山レイバック 5.9:✖、RP
◎U山
・小川山物語(ストーリー) 5.10a:RP
・タジヤンⅡ 5.10a:MOS
・完璧な父 5.10b:FL
・クはクライマーのク 5.10c:MOS
・スケアクロウ 5.11a:RP
・川上小唄 5.8:FL
・イレギュラー 5.10d:✖✖✖✖✖
・グラッシオ 5.10a:FL
・卒業試験 5.10b:FL
・小川山レイバック 5.9:RP
◎T生
・小川山物語(ストーリー)5.10a:TR、✖✖✖
・川上小唄 5.8:TR、✖
・ジャングルフィールドガイド 5.8:✖
・ゴールドグリッター 5.10a:TR
・Ka-ching! 5.9:✖
・グラッシオ 5.10a:✖
・小川山レイバック 5.9:✖
◎S尾
・小川山物語(ストーリー) 5.10a:TR、RP、RP(マスタースタイル)
・川上小唄 5.8:✖、RP
・ゴールドグリッター 5.10a:✖、TR
・Ka-ching! 5.9:FL
・グラッシオ 5.10a:✖✖
・小川山レイバック 5.9:✖
5月に岩班参加メンバーが確定してから約4か月間、ジムや外岩でのトレーニング、御在所前尾根・前穂北尾根での準備山行、また各自ランニングやボルダリング、筋力トレーニングに取り組んだ成果が現れた三日間だった。
S山氏とU山氏は互いに切磋琢磨し合い、新たなる宿題(イレギュラー5.10d)に向けて闘志を燃やしている。
T生氏とS尾は同じルートに何度も挑戦したりTRで研究し、確かな手応えを感じ今後への課題を見出した。
予定していた滝谷ドーム中央稜でのアルパインクライミングは叶わなかったが、小川山でこれまでの練習の成果を確認できたことは大きな自信となった。
以下、今回の合宿までの経緯を記録する。
【参加者募集とメンバー確定】
・5月20日 参加者募集→5月21日 メンバー5名決定(S山、T生、U山、K増、S尾)
・6月5日 webプラン会にて行き先、行程、目的、各係、パーティ分け、システム、自主練、荒天時の転進先、準備山行、装備、等について確認
【準備山行および事前トレーニング】
・5月25日 なんばDボルダリングにてビレイ・懸垂下降・マルチピッチシステムの確認:S山、S尾
・千石岩、亀岡グラビティ、Ko-Wallにて定期的なリード練習:S山、U山、T生、K増
・6月21日(土)~22日(日)御在所にてビレイ、ロープワークトレーニング、前尾根マルチピッチクライミング:S山、T生、U山、K増、S尾
・7月19日(金)~21日(日)小川山クライミングキャンプに参加:S山、U山、K増、S尾
・8月2日(土)~3日(日)前穂北尾根アルパインクライミング:S山、K増、S尾
・8月下旬~9月上旬 Ko-Wallおよび金毘羅でのビレイ講習に参加
・高峰、沢での体力及び実践力強化。
S山、U山 : 槍ヶ岳西稜、屏風岩東壁雲稜ルート
S山 : 剱岳成城大ルート
T生 : 赤井谷、薬師沢
K増 : 南アルプス縦走
S尾 : 富士山、赤岳
(文責 S尾)