無雪期縦走@奥多摩 長沢背稜~雲取山~石尾根

山行名:無雪期縦走@奥多摩 長沢背稜~雲取山~石尾根
日程:2024年4月27日(土)夜発〜29日(祝月)
メンバー:K川、Sモア
ルート:
27日 9:52川乗橋バス停‐11:35百尋ノ滝-13:22川苔山-15:54蕎麦粒山-17:11一杯水避難小屋
28日 4:10一杯水避難小屋-6:46酉谷山避難小屋6:55-8:20滝谷の峰ヘリポート8:28-10:03長沢山
-11:49芋ノ木ドッケ-13:00雲取山荘13:15-13:22雲取山-15:06七ツ石山15:10-15:22七ツ石小屋
-16:52鷹ノ巣山避難小屋
29日 4:30鷹ノ巣山避難小屋-4:54鷹ノ巣山5:38-7:31六ツ石山7:36–9:57石尾根縦走路・六ツ石山登山口
           -10:41もえぎの湯

 

さて、今年のゴールデンウィークは雪が少なかろうと早々に見切りをつけて、久々に奥多摩方面へ夏道縦走に行くことに。
K川のリクエストにより川苔山から長沢背稜、かつての縦走で歩けなかった石尾根でぐるっと回るプランだ。

26日
K川もSモアも4月から多忙になり疲労感の募る中、何とか準備をまとめ、残念ながら体調不良で不参加となったものの、帰省するAさんと京都駅付近で結成会?をして新宿行の夜行バスに乗り込んだ。

27日
日頃の疲れもあってか1回目覚めることなくワープのように新宿着、Aさんと別れて中央線を乗り継いで、眠り足りないのかうつらうつらしながら奥多摩駅へ。
天気もあってか、ゴールデンウィーク初日と言う割には人は少なめに思える。

と、ここで次々とトラブル発覚。samoaの財布がない…
どうやら高速バスか電車に落としたようだ。
とりあえず1本バスを逃しながら各方面へ届け出て、靴を履き替えようと取り出したら今度は登山靴に靴紐が着いていない…
入山前にしてパーティ崩壊の危機となるが、西東京バス事務所の方に機転を利かしていただき何とか靴紐を確保。本当にありがとうございます。
そんなこんなで、バスに乗り込んで綱渡り的に入山に漕ぎ着くことができた。

バスに揺られて川乗橋で下車。
もう20年振りくらいの再訪だ。新緑の林道を歩いていく。
登山道に入ってからも美しい沢沿いの道。沢登りしたら楽しそうな滝や函を見てとることができる。事実キャニオニングの業者が下見に来ていた。

2時間くらいで百尋の滝へ。相変わらず大きくて見事な滝だが、記憶より小さく感じる。色んな大滝見てきたからかな。
まだまだ先は長いのでサクッと先を目指す。
大滝から上がっていく道はなかなかなトラバース道で気を抜いて滑落したら大変なことになりそうだ。
お久しぶりのニリンソウやコガネネコノメソウなんかを愛でながら高度を稼いでいく。

稜線に出て一息で川苔山まで。めちゃくちゃ立派な標識が立っていてちょっとビックリ。
不安だった雨にも降られることもなく、これから目指す長沢背稜~雲取山~石尾根が一望できる。うむなかなかの距離。

宿泊地である一杯水避難小屋を目指して歩を進める。
ここからは尾根歩き。一つ一つ小ピークに律儀に名前がついているのが奥多摩らしい。
日向沢の峰は巻くことができず登りを強いられるが、ここはワラビ畑だった。
ひと登りして蕎麦粒山。かつて秋口にきたのが思い出される。

あとは一杯水避難小屋までトラバースするだけと思っていたが、小屋の手前の水場は枯れていて、絞り出したようにコップに水が溜まっている程度でまさに一杯水という感じ。
100mくらい下ろすと地形図上は水線が出ているのて、tentyoが取りにいく。なかなか帰ってこないなと思っていたが、結局200mくらい下ろして登り返す覇めになったそうだ。

そんなこんなで水をたっぷり手に入れて避難小屋へ。
こじんまりとした静かな小屋で我々の他に1名しか利用者はおらず、のびのびと使える。
晩御飯はキムチ鍋、うまい。
日頃の疲れもあってか早々に沈。

28日
今日は行けるところまで行きたいので3時起き、避難小屋なので撤収に時間もかからず、4時過ぎ出発。
天目山に寄り道して明け方の稜線を見渡して目標の雲取を見定めて、道に戻るとちょうど日の出。
風も無ければそんなに寒くもなく、今日はなかなか暑くなりそうだ。

基本的に稜線上の小ピークはトラバースして巻くように付いていて、体力の消耗もなく距離を稼ぐことができる。

2時間ほどで酉谷避難小屋。20年くらい前に縦走した時はここに幕営した。水もしっかり出てて綺麗な小屋だ。
麻婆豆腐作ったなあとか思い出を振り返りながら一休みして先を目指す。

滝谷の頭の先のヘリポートは長沢背稜随一のビューポイント。
北側に視界が開けていて、北関東の山はもちろん、浅間山や谷川・尾瀬の山々まで望むことが出来る。
さすがに上信越国境の山々は白く輝いている。

ここを過ぎると雲取も近づいてくるので、トラバースの誤魔化しは無くなり、しっかり小ピークを超えながら高度を稼いでいく感じになる。
長沢山、芋の木ドッケと越えていくと高度に応じてシラビソも出て来て、林床にはフカフカのコケが優占し、奥秩父っぽい雰囲気になってくる。
緑の絨毯に星のようにバイカオウレンの白い花が顔を出していて癒しの空間だ。
伊勢湾台風で倒れたという倒木も今は昔、苔むして空間の一部品でしかない。

三峯からの道が合流し、人が増えてくる中、大ダワを経てひと登りで雲取山荘着。
相変わらず大きくて立派。GWなので鯉のぼりも出ていた。
テンバにはまだ余裕はあるようだが、時刻もまだ12時過ぎということで頑張って先を目指すことにする。
藤田新道に名を残す藤田翁と、鎌仙人のレリーフを見たりしながらよいしょと登って雲取山山頂へ。

富士山が思ったよりも見えにくかったりという感じだが、今回も晴れて五分だった勝率を勝ち越しに持っていくことができた。
七ツ石くらいまではと休憩もそこそこに先に進む。森の中だった雲取山荘側とは打って変わって開けた尾根の防火帯を進む道。気持ちのいい尾根歩きだかいかんせん暑くなってきた。

小雲取を越え、跡形もなくなってしまった奥多摩小屋だったところを過ぎて、前回は鴨沢エスケープで歩くことの出来なかった石尾根に入る。
七ツ石小屋に行く前に七ツ石山を踏んでおこうとえっちらおっちらピークへ登る。そういえば鴨沢エスケープのときはこの山を巻くことができてほっとしたものだ。
山頂には例の立派な標識、ピークから少し進んだところに神社があり、七ツ石の名前が平将門に由来することを知る。

七ツ石小屋はあるのは知っているが来るのは初めて。しかし、テント場予約制との文字が。恐る恐る空きを聞いてみると一杯とのこと。あれま。
こうなったら鷹ノ巣山避難小屋まで行くしかない。

気を取り直して登り返して石尾根の縦走路に復帰。トラバース道なので登りも少ないのだが、一度気持ちが切れてしまったのもありペースは上がらず、昨日と同じぐらいの時間に到着。着いた勢いで水を汲みに行く。10分弱くらいのところでじゃぶじゃぶ出ていた。

小屋自体はそこそこ賑わっており、少しずれてもらって2人分のスペースを確保。適当に寝る準備だけして、小屋前の机でほっと一息、ここまでの労を労う。
晩御飯はペミカンカレー。長時間行動後に相応しいメシだ。

同じく小屋前で宴会をしていたおっちゃんらと意気投合し、暮れなずむ富士山を見に行ったり、山や地元、仕事がらの話で大いに盛り上がり、夜は更けていった。

29日
今日は下山日。昨日頑張ったので行程は短めだが、鷹ノ巣山で日の出を迎えるため、早起きしてラーメンを啜って4時半くらいに出発。

登る途中で振り返ると幾重にも重なる尾根の向こうにぼんやりと富士山が浮かんでいる。
山頂に辿り着くと同時に日の出。あいにくそちらの方は林がもっしゃりしてて、木の間から朝日を見る形だが、富士山方面はバッチリ開けていて、南アルプスを始め、小金沢連嶺~大菩薩、丹沢・道志、奥多摩三山なんかを一望できる。
中学・高校時代の思い出の山々と思っていたが、社会人になってからもけっこう歩いたものだ。
のんびり1時間くらい移りゆく景色を堪能して出発。

ここからボチボチ標高を下ろしていくが、それに連れて季節も進み新緑が見られるようになってくる。
たおやかな尾根に芽生えた緑が朝陽に照らされてえも言えない。

気持ちのいい尾根歩きで将門馬場を経て六ツ石山へ。
青空の下、サクラが満開に咲いていていい山頂だ。富士山もそろそろ見納めだろうか。

ここからはさらに標高を下ろしていき、季節もどんどん進む。新緑の葉も大きくなり、ミズナラが優占する素敵な森の中を歩いていく。
1000mも切り、そろそろスギの人工林に切り替わるかなというところで、今回体調不良で縦走不参加となったAさんと再開。我々の今日の行程を予見して石尾根を登ってきてくれた。しかもスイーツの差し入れ付き。
しばし腰を下ろして歓談。山の中で知り合いに会えるのは楽しいものだ。

そんなイベントもこなしてあとは奥多摩目掛けて降りるのみ。どんどん気温も上がっていき、汗だくになりながらアスファルトの道へ飛び出す。
披露した足にアスファルトはなかなかダメージが来るがひと踏ん張りして、もえぎの湯まで。ここまで来るともう春を通り越して初夏のような装いになってくる。

温泉で汗を流して、奥多摩線に乗って東京に向かい、少し遅めのお昼ご飯でお腹を満たす。そういえば無くした財布も見つかってよかったよかった。
そんなこんなで、新幹線で帰京。お疲れ様でした。

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