ハイキング@奥越・刈込池から願教寺山

地形図の図葉名になっている願教寺山は、残雪期に石徹白川流域からよく登られている。
概して、石徹白川流域は傾斜が緩やかで、打波川流域は急である。
今回、残雪期には遅いが、福井県側の刈込池から急な尾根を利用して往復した。

【行程】 行動時間 11時間10 天気 晴れ時々曇り

鳩ヶ湯5:10?7:00石段コース入口7:15?7:45刈込池8:00?11:00願教寺山12:00?13:50石段コース合流?14:15石段コース入口14:35?16:20鳩ヶ湯

?前夜野洲市の自宅を22:15に出発。
北陸道経由で福井に入り、鳩ヶ湯に1時半頃着くが、直ぐ先のゲートは閉まっている。
明るくなって起きると、晴れてはいるが雲が多い。

刈込池石段コースの入口まで長い県道歩き

サンカヨウ

5月も半ばを過ぎ、朝の冷え込みは無い。
長い県道を歩く。
途中、後ろ足を痛めたカモシカに出会う。
春になったのに、生きていけるのだろうか。心配だがどうしようもない。
上小池から打波川沿いの砂利道の林道に入り、刈込池の石段コース入口へ。
橋を渡って石段を上り、標高差220m余りで刈込池へ。
ハイキング道に残った残雪には踏跡が無い。

刈込池から願教寺山の山頂へ

刈込池は残雪が無く、新緑が湖面に映って美しい。

刈込池

けれども三ノ峰は雲が多く霞んでいる。
なかなかいいタイミングには巡り会わないものだ。
さてここからが今回の山行だ。
池からは真っ直ぐ尾根末端を目指す。
右手に高みを見ながら山腹を進む。
前方に空が広がった広い平らな場所に出る。
しかしクマザサが繁茂し、ザックが引っ掛かりこの通過に少し難渋。
ここを抜けて少し登り気味になってくると笹も少なくなり歩きやすくなる。
この辺りから朱色の布がところどころ掛かっていてる。
少しの間、これについて行く。
やがて左手の沢状の凹みに残雪の連なりが現れる。

ツバメオモト

この右側がちょうど取り付く急な尾根の末端だ。
ここで朱色の布は終わった。
尾根に乗り、あとはひたすら登る。
思ったほど急な感じではないが、上部に行くほど頑丈な笹が増えてくる。
笹薮は滑るし、密な所は無理やり体で押し分けて進む。
振り返ると、赤兎山への尾根が霞んで見える。
時々大きなブナの木もある。
今日は気温が高く、大汗をかいて薮漕ぎはたいへん不快だ。
しかし、去年の佐武流?白砂以来の薮漕ぎに精を出す。
背丈を越える本格的な笹薮漕ぎを終えると、高度は標高1,610m。
急な登りが終わる小ピークになっていて残雪が現れ大休止。

三ノ峰(左)と南白山(右)

向かいに三ノ峰や別山、続く銚子ヶ峰など展望が開ける。
ここからは進行左斜面の残雪を辿って山頂近くまで達する。
最後は少しの潅木と笹の薮漕ぎで待望の山頂だ。

山頂は残雪の高まりとなっていて、360度の展望。
1時間山頂で過ごす。
GWに行った別山や南白山、丸山はかなり残雪が少なくなっている。
よも太郎山、日岸山なども藪にかえりつつある。
石白川流域の右岸の山々はしばらく静寂を取り戻すかのよう。
ウグイスや啄木鳥のドラミングが風に乗って聞こえてくる。
しかし今日は春山っていうよりか初夏の陽気。

日岸山方面の山々

残雪の照り返しで暑い。

鳩ヶ湯へ下山

さて下山。登ってきた尾根は上から見ると、はっきりした尾根には見えない。
時々方向を微修正しながら忠実に辿ってきた尾根を下降する。
末端に降り着き、行きに通った笹薮を避けるため、左寄りに進む。
1,143m西南西の小さなコブの山頂を通る。
さらに1,143m北東の浅い残雪の詰まった沢を緩やかに下降。
ほどなく石段コースのハイキング道に出る。

帰路、願教寺山を振り返る

後はまた長い県道を歩いて鳩ヶ湯へ。
日帰り入浴は15時で終了。
16時20分に車に戻って山行を終える。

今回は通行止めの県道を往復4時間程度歩いたので時間が掛かった。
通行止めのせいか、登山者には全く会わなかった。
この山は無雪期ならやはり秋の紅葉の季節の方が良さそうだ。
山にはコシアブラ、ヤマウドがたくさん出ている。
いつもの春を感じながら帰路についた。

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