ハイキング@奥越・木無山

 去年、小白山の山頂から荒島岳を望んだとき、枇杷倉山と荒島岳の間にあってそこそこの高まりがあり、三角形の形をした山が見えた。
 能郷白山から屏風山、平家岳への連なりや荒島岳、北の経ヶ岳、赤兎山などの展望にとって地理的にいい位置にあり、低山の残雪期にしては少し時期が遅いが今年の豊富な積雪量では藪も少ないだろうと期待して行くことにする。

【行程】 行動時間 6時間5 天気 快晴

林道奥越線とスキー場との分岐点6:45?7:10 664m標高先7:25?8:15標高1,040m広い鞍部8:20?1,153m峰南西肩8:40?9:35木無山11:00?1,162m峰の2つ先のコブ11:30?広い台地をゆく?長倉谷の林道標高640m地点12:30?12:50駐車地?

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標高1,040m鞍部のブナ

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前夜野洲市の自宅を20:45に出発。
白鳥経由で福井に入り九頭竜湖畔で日付の変る前に車を止めて仮眠。
お陽さまが顔に射し起きた。しまった寝過ごした。
夜明けと共に活動しようとしていたがよく寝過ごすことが多い。
急遽車を走らし、スキー場の道に進入し最初の分岐に止める。

山頂まで?

直ぐ支度し出発。快晴で朝の冷んやりとした空気が心地良い。

1,153mすぐ南東の台地

真新しく舗装された林道を前坂谷に沿って上がる。

林道上には雪が無いが落石が多い。

地形図の664mの先の橋の袂で休憩。

ここから植林の中を上がっていくが最初の標高差100mだけ傾斜がきつい。

取り付きから残雪がたっぷりある。朝の冷え込みでよく締まっている。

急なのでアイゼンを効かせて登る。

1,153m峰南西肩からの木無山

急登が終わる手前だけ雪が途切れた。

僅か10mだけの薮漕ぎであっけなく終了。

その後下山するまでほぼ雪の上となった。

傾斜が落ち着くと植林から抜け出して明るい自然林に入る。

緩い尾根は次第にブナ林になっていき、芽が膨らんできたブナの穂先のオレンジ色と雪の白が青空に映えて美しい。

やがて左からの尾根が寄ってきてだだっ広い鞍部となる。標高1,040m。

左 経ヶ岳、右 赤兎山

このあたりは大きなブナの木が並び壮観だ。

さらに広いブナの台地を好きな場所を縫いながら緩く高度を稼ぐ。

春の鳥の囀りや啄木鳥のドラミングが森に響く。

これから春に向っているという季節感が今日は溢れている。

北の方角には黒い岩稜を従えた枇杷倉山辺りがよく見える。

どうも先ほどの林道がこの稜線上を乗越しているようで興ざめだ。

稜線の一本のブナの木

1,153m峰は南側をトラバースして南西肩で主稜線に合流。

赤兎山、経ヶ岳、大日連峰と、そして何より白山の真っ白な姿が突如として眼前に展開し、しばらく見とれる。

一旦1,090mの鞍部へ下り、あとは230m余りの登りだが、今日は風が無く、気温も快適でまさしく稜線漫歩だ。

穏やかな雪の尾根、軽やかに高度を上げてブナの森を少し抜け出すと山頂だ。

見事360度、遮るもののない展望に満足。1時間半も山頂でゆったりと過ごす。特に荒島岳が眼前に大きく迫り、格好いい姿に惚れ惚れする。

山頂からの荒島岳

山頂は名の通り木が無い。かなり広々としている。

能郷白山や遠く金草岳、屏風、平家はもちろん、乗鞍岳や御岳山、真っ白な白山や別山、この稜線の続きの石徹白川右岸の山々、等々、見飽きない。

下山まで

下山は南に進路を変える。

1,162m峰の先、緩やかなブナのコブを2つ越えたあたりはブナ林が美しい。

能郷白山方面

さらに先で左眼下に見える広くて緩い台地に雪庇の隙間を抜けて降り立つ。

後は好き勝手にこの台地を下降する。

ブナがところどころに立っていて開放感抜群。

あっという間にどんどん下って、やがて植林が出だすと左の尾根筋に近づく。

この尾根を標高750m辺りまで下降していくと稜線上の雪が途切れ出し、藪が出てきた。

真っ白な白山

しかし尾根の右下の斜面には雪があるので稜線の少し下を進むことにする。

最後50m程は雪が続かなくなってくる。

稜線に戻って僅か5分薮漕ぎをすると予定していた長倉谷の林道にぴったり出た。

雪で覆われた林道を10分でスキー場からの広い道に出る。

ふきのとうが斜面に顔を出している。

さらに10分弱、この舗装道路を歩いて駐車した地点に戻った。

たおやかな稜線をゆく

快晴の天気と良い雪質で条件が非常に良かった。

また他の登山者も無く、周囲の山々の展望を独り占めでゆっくり楽しめた。

山頂での長い滞在時間を含めても僅か6時間程度。

残雪期の手軽な山行に相応しい展望抜群の山だった。

山を降り、温泉に着くと人がいっぱい。

白鳥あたりはちょうど桜が満開で春爛漫。

1,163m峰のブナ林

温泉の混雑にあきらめて帰路に着く。

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