二口山塊 名取川大行沢

予定より1日早く葛根田川から下山できたので1泊2日の沢をもう1本いくことにした。候補地として和賀山塊の部名垂沢か二口山塊の大行沢に絞った。天気や帰りのことを考えて二口山塊の大行沢にした。盛岡市内で晩御飯を食べて二口温泉へ向かった。22時半頃到着して仮眠。

9/22 出発7:45→入渓8:00→ゴルジュ→F1滝8:40→F2滝9:40→カスケ沢出合12:40→樋の沢避難小屋13:15→880付近14:30 泊

6時過ぎに起きてのんびり出発。大行沢本流のみと考えていたが出発前に登山大系を読むと大行沢支流のカスケ沢も面白そうだと思い下降に使うことにした。カスケ沢は右がゴルジュ、左がナメと紹介されていたので、左俣を下降することにした。

ビジターセンターから歩いて大東岳への登山口を過ぎて、小行沢の橋を渡ってすぐに大行沢の橋がある。右岸から踏み跡をたどり入渓した。入渓するとすぐにナメがひろがった。天国のナメと呼ばれるだけあって、入渓してすぐにナメがあらわれるのか!と少し驚く。気楽な気分だったがそれも束の間、すぐにゴルジュが始まった。あれ?ゴルジュなんてあるってかいてあったかな?確かに下流はゴルジュの中に淵や大釜をもった滝があると登山大系に書いてあったが頭からすっかり抜けていた。フリクションはいいが滑りそうな気がして意外に手こずる。釜に入って泳げば簡単にクリアできそうだが、なんせ寒くて濡れたくない。足をひろげてへつって越えるが、そうもいかなくなってドボン。ナメばっかりだとおもっていたので、まさか全身濡れるとは思ってもいなかった。20m弱の淵ではS木君がザイルをだして泳いだ。後続はザイルをひっぱりながら楽々抜ける。なめきっていたので10mの補助ロープしかもってきてなかった。この先大丈夫だろうかと少し不安になる。ザイルが足りなくなったのでスリングを何本もつなげた。ゴルジュ帯の終わりに大釜をもった滝が現れた。直登はできないと判断して左岸から巻いた。ステップがきられていて登りやすいが上部は滑りやすそうで慎重に。ゴルジュ帯を抜けるのに約40分かかった。

しばらく沢は穏やかになり、途中でブナハリダケというキノコをH内さんがみつける。食べれるらしい。H内さんさすがだ、どうしてあんな簡単にキノコを見つけることができるのか。まったく目にはいってこないが・・・。ゴルジュが終わり1時間ほど進むと魚止めの滝F2が現れた。右岸側のかぶさるような岩壁に圧倒される。その滝を越えると左岸側の上部に盤司岩が見えた。

次第に沢は大岩の連続となる。直径3,4mはありそうな巨岩だ。くぐったり登ったりとルーファンも大変だ。滝もいくつかでてくる。滑りやすそうな高度感のある滝でザイルをはった。(この間にもナラタケやブナハリダケを見つける。晩御飯にたっぷりとった)2時間ぐらい大岩やゴーロ帯を歩き、620地点の右岸からの支流を見送ったあたりからナメが広がりだした。次第にナメは沢幅いっぱいに広がり、ナメまたナメの世界が始まった。これが天国のナメだ。そして下降路に使うカスケ沢に出合った。654地点。

沢は両岸のブナに覆われていて、ブナのトンネルの中を歩いているようだ。陽が射しこみキラキラと光ってとても美しい。いけどもいけどもナメが続く。小滝が時々現れナメ歩きを飽きさせない。左からのハダカゾウキ沢と樋の沢が滝となって出合う。樋の沢本流の滝を右側から登ると避難小屋があった。真新しい小屋で快適そうだが、せっかくなので沢中で焚き火をして泊まりたかったので先へ進むことにした。ここまで左岸沿いに登山道があるが(地形図には沢のすぐ側に記載されてるが)、沢からはまったく見えず興ざめすることはない。

避難小屋から先は右へ左へと大きく蛇行する。小滝、トイ状の滝が現れて変化しながらもナメは永遠と続く。気持ちよすぎてどんどん足が進む。900手前あたりに快適そうな場所を見つけ、14時半と早いが遡行を打ち切った。

焚き木をたくさんあつめて盛大に焚き火をして長い夜を楽しんだ。楽しみにしていたブナハリダケはベーコンと一緒に炒めて食べた。癖があるとH内さんから聞いたが問題ない。とても美味しい。ただ、大量にはたべれないキノコかな。ナラタケはシチューの中にいれて食べた。我々以外に遡行者はいなかったので静かな沢を楽しむことができた。

9/23 出発6:50→登山道7:30→南面白山8:00→樋の沢避難小屋→下山11:50→二口温泉→仙台市→多聞山17:10→夜行バス19:30→9/24京都5:45

夜に雨が降るかもしれない予報だったが天気はもった。2日目は登山道に突き上げて、南面白山から小東岳から糸岳へ縦走し、カスケ沢左俣を下降して、石橋入口から裏コースを使って二口キャンプ場へ下山する予定だ。

初日にけっこう進んだので残り少ないナメを楽しむ。支流をしっかり確認しながら、910地点の二俣を右にとり、最後の二俣も右にとって970より少し西のコルに突き上げた。藪も濃くなく苦労することはない。最後の最後まで水は流れ美しいブナに覆われていた。

さぁ長い縦走の始まりだ。急登をのぼり30分で南面白山に着いた。登山道をでたありから雨が振り出しピークはガスに覆われ景色はない。ゆっくりしてると寒いので先に進む。アップダウンを繰り返しながら小東岳への分岐点に着いた。登り返しが激しくてけっこう辛い。カスケ沢下降点まで約1時間半。雨の中モチベーションが沸かない。もし尾根下山なら小東峠から樋の沢出合に降りることが可能。けっきょく気分が乗らずメンバー同意のもと尾根下山をすることにした。小東峠から2時間半かけて駐車場へ戻ってきた。

ナメしかないのかと思っていたが、ゴルジュ、大岩、滝、ナメと多彩だった。刺激ある良い沢だった。谷にいる間は天気に恵まれ、ブナの美しさを堪能した。天国のナメ、一度は訪れたいと思っていた谷だったので行くことができて良かった。紅葉か新緑の時期はもっと綺麗だろう。ただ、最初のゴルジュの突破が寒くて辛いかもしれない。

今回のツアー(葛根田川と大行沢)、葛根田川継続遡行のみしか検討してなかった。(転進先として登山大系とたくさんの地形図をもっていっていた)意外にも3日間で抜けれて1泊2日の沢も行くことができた。昨年の東北ツアーは、雨にやられて日帰り沢やハイキングが多かった。それもそれで良かったが、今年は是非泊まり沢をしたかったので天気に恵まれて本当に良かった。

葛根田も大行沢も山深く、原生林が本当に素晴らしい。自然を深く味わうことが出来た。北東北の谷、和賀、焼石、栗駒、虎毛とまだまだ行きたいところがたくさんあるなぁ。

?仙台市内にもどって名物牛タンを食べ、仙台駅でお土産を購入。私以外の3名はたくさん買ってた。ちなみに私はひとつも買わず。夜行バスまで時間があったのでどうしようかと。特に町を歩きたいわけでもなく、することがない。ナビをみてたH内さんが七ケ浜町の半島にある多聞山に目がとまった。どんなところかわからないが、有名な松島の景色がみえるかもしれない。車を走らせ仙台から30分で着いた。標高56mで毘沙門堂からの松島湾の眺めはなかなか風情があってよかった。帰りは海沿いを走って19時に仙台駅に戻ってきて、夜行バスに乗り込み翌朝6時前に京都駅に着いた。

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