冬季登山@八ヶ岳 本沢温泉~天狗岳

山行名:冬山登山@八ヶ岳 本沢温泉~天狗岳
日時:2021年3月12日(金)夜発~14日(日)
メンバー:A川 T町 H原 I村 K川 Sモア
ルート:
13日 09:03稲子温泉旅館-10:31こまどり沢水場-11:16しらびそ小屋12:00-13:32本沢温泉13:54ー14:06本沢温泉野天風呂15:10‐15:17本沢温泉C1
14日 06:43C1-09:07夏沢峠- 11:13箕冠山11:38-11:50根石岳-12:33東天狗岳12:54-13:49中山峠-15:20しらびそ小屋-16:11稲子湯旅館

 

春がちゃくちゃくと近づく中、当初は白山近辺の三方崩れからマナコの頭を目指す計画をしていたが、南岸低気圧の通過からの冬型で雪崩や強風が危険そうだったので、直前に北八ヶ岳転戦を決定。念願の本沢温泉泊の山行となった。

金夜に出発し、中央道を快走。
新しくなったという小淵沢駅の駅舎を見学してから小淵沢の道の駅で沈。

13日 ずぶ濡れのち極楽
夜半には雨だったが起きる頃には雪に変わっていた。
降りたての雪にタイヤを取られながら何とか稲子温泉へ。雨の降る中、準備して出発。

3月の八ヶ岳とは思えない白い世界の中を歩いていく。
とはいえ、気温は高く湿雪のためヤッケは脱げす汗だくになりながらしらびそ小屋へ。
ここまでずぶ濡れなってしまったのもあり、お洒落な山小屋で、ホットミルクやコーヒーを飲んで一服する。

窓の外の雪は時折強くなったりでついつい長居したくなるが、心を鬼にして出発。
本沢温泉まで特にキツい登りもない。積雪量が少し増えてきたかなと思ったくらいに本沢温泉の小屋に到着。

テント場の手続きをすまし、早速野天風呂に向かう。
硫黄の匂いを辿りながら、沢沿いをラッセルを交えて進むこと10分、果たしてそこに湯船があった。

湯船に落ちないように蓋を開けて、入る準備。
吹き付ける風雪はとても冷たく、脱衣する順番をちゃんと考えないと凍え死んでしまいそうだ。
計画的に服を脱ぎ捨て、縋るように湯船に飛び込む。

白濁した温泉はまさしく適温で、極寒の世界にいたことをたちまち忘れさせてくれる。まさに極楽。
いくらでも浸かってられる温度なのでついつい長湯。
天気もそこそこ回復してきて、硫黄の岩壁やうっすら太陽も見えた。

1度入ったら二度と出れまいと戦々恐々としていたが、手足がシワシワになるまで、お湯を堪能したら身体の芯までぽかぽかで服を着るのは、そんなに苦ではなかった。温泉すごいね。

温泉から戻ると、残っていたメンバーがテント設営を既に終わらせていた。ありがとうございます。
テントに転がり込みだらだら過ごす。6人でテントでワイワイするのも久方ぶりだ。

晩御飯はT町さん作のビーフシチュー。玉ねぎの深い甘みと、トロトロに煮込まれた牛肉が最高にうまい。今まで食べたどのビーフシチューよりも美味しかった。

おなかもいっぱいになり、幸せな気分で眠りにつく。明日は晴れるかな。

14日 ラッセル後晴れ
4:00起床。星は見えているようだが、風の音がしている。果たして稜線はどうだろうか。
朝ごはんはA川さん作のフォー。あっさりしていながらも具沢山でうれしい。

6時半過ぎに出発。夏沢峠を目指す。
わかんを装着してのラッセルとなる。概ね脛から膝下くらい。とはいえ、人数もいて雪も軽いのでそんなに苦にならない。

1箇所、白い沢を横切る箇所があり1人ずつ通過した。
2時間ほどで夏沢峠へ。ガスガスで何も見えない。風は思ったほど強くはない。
稜線には既にトレースがついていた。

一息入れて天狗を目指して歩き始める。霧氷がよく発達した樹林の中を歩いていく。
するとガスが切れ切れとなり青空がちらほら見えてくる。回復傾向のようだ。

晴れたり曇ったりを繰り返しながら箕冠山まで。ここでアイゼンに変えるがてら大休止。風も穏やかで暖かいが、ここからは強風ゾーンということで気を引き締めていく。

根石小屋手前から急に樹林が途絶えたかと思うとコルの収束風がたちまちはじまる。軽く風に体重を預けられるくらいの強風だ。

風に振られながら根石岳に登り後ろを振り返ると硫黄がよく見える。こちら側から見るのは初めてで赤岳側からの印象とはいい意味でだいぶ異なる。
行く手には天狗岳が見事な双耳峰として聳えている。

ガスもすっかり飛び、風に吹かれながらも青と白の世界を堪能しながら天狗を登っていく。
天狗に登ると豊かな森を持った北八ヶ岳のたおやかな山並みを望むことがて、その向こうには真っ白な北アルプスや北信五岳が。
左手には2週間前に行った乗鞍岳、御嶽、中ア、南ア、右手には真っ白になった浅間山や奥秩父と空気が澄んでいることもあって長野一望といったところだ。

西天狗にも行きたかったが今回は時間の関係で割愛。
中山峠を目指して下っていく。白くはないものの、広々とした北八を眺めながら高度を下ろしていくのは、どことなく高根が原見ながら旭岳から降りていくのと雰囲気が似ていた。

中山峠手前で一服していると、松本方面からヘリが飛んできて黒百合ヒュッテから人をピックアップしているようだった。怪我人だったのだろうか。

中山峠からの下り始めはなかなか急。今回は大丈夫だったが団子雪だったらたちまち滑落してしまいそう。
途中、稲子岩に登っていたというパーティとすれ違う。
少し下ると木々の間から稲子岩が見える。なかなか立派。帰ったらルートを調べてみよう。

ばーっと下っていってしらびそ小屋まで。昨日とは打って変わって天気も良く天狗とみどり池の組み合わせはいい感じ。

池のほとりでのんびり休憩して、あとは惰性で温泉まで。
下山したらすぐ温泉というのはいいもので、本沢温泉とはまた違う鉄臭い鄙びた温泉で汗を流す。

下山後の腹ごしらえは風とりという店へ。
カツやフライの乗った風とり丼を頼むと久々にビックリするようなボリューム。おそろしくも素晴らしいお店で満腹満足して帰路に着いた。

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