沢登り@尾瀬 楢俣川前深沢~至仏山~笠ヶ岳~アルキノ沢~ヘイズル沢
沢登り@尾瀬 楢俣川前深沢~至仏山~笠ヶ岳~アルキノ沢~ヘイズル沢
日時:2018年7月14日(土)~15日(日)
メンバー:K川 Sモア
行程:
14日 06:00スタート地点-06:45林道四差路-09:25入渓点-10:35前深沢出合10:45-13:30大滝14:05-14:301600m付近宿泊地
15日 05:50C1-08:12至仏山08:35-09:42オヤマ沢田代-11:50笠ヶ岳12:05-13:30アルキノ沢1600m付近13:40-15:30ヘイズル沢出合-18:30ヘイズル橋18:40-20:30ゴール地点
装備 沢足袋(フェルト) ヘルメット ハーネス ザイル50m カラビナ シュリンゲ ハーケン ハンマー
レベル 初中級 大滝登攀Ⅲ+くらい?
ルート図はこちらを参照→https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1547750.html
7月の三連休はどこへいこうか、ギリギリまで悩んだ結果、尾瀬の西側、楢俣川の支流である前深沢とヘイズル沢を溯下降し、至仏山の稜線も歩いてしまおうという計画を立てる。
二泊三日がんばれば一泊二日といった行程だ。
14日 明るく快適な溯行
仕事終わりから群馬へ向けて車を走らせる。時間にして7時間。北海道に行くよりも遠いかもしれない。
赤城SAで一眠りしてから、1時間ほどでならまたのキャンプ場付近へ。適当に準備して長めの林道を歩き出す。
林道では楢俣本流を詰めると人たちが何パーティーかいた。機会があればそっちにもいってみたいものだ。
2時間超の林道歩きで入渓点まで。入渓に使うのは百名谷にも入る仮小屋沢だが、案外規模は小さく感じた。
沢を下ろしていき楢俣川本流へ、
規模も大きくて明くるくいい感じだ。朝陽に照らされキラキラ輝く沢を歩いていく。
前深沢出合までは段差やナメ滝が出てくる程度で特に難しいところもなく、途中出てきた大きな釜を泳いだりと存分に楽しむ。
前深沢出合で一休み。そのまま本流を詰めあげて湿原に出るというパーティが多いのでそっちもいってみたい。
前深沢に入ると一気に規模が小さくなる。
すぐに左から形のいい滝で支流が合流し、本流の右股にも滝がかかる。右岸から簡単に登る。
しばらくは単調な河原歩きが続くが、沢は開けていて明るく、青空のもと歩いていくのは気持ちがいい。
しばらくすると6mの滝。これは流芯を横切って左岸から。頭っからシャワーを被るが登はん自体は簡単。
その後も小気味よく滝やちょっとしたナメが出て来て飽きさせない感じ。
さらに進むと青空へ美しいスラブが反り立ち、そこを水が流れ落ちる。本日の核心50m大滝だ。
沢の規模からは考えられない大迫力の滝だ。
しばらく滝下で眺めながら休憩し、ザイルを出して登はんにかかる。
左岸のスラブを登っていく。基本的には快適に登れるが上部少し下に立ったところがあり少し怖い。
左に逃げてカンテから行くのが良い。核心の前でハーケンで支点がとれた。確保支点は灌木で取れた。
滝上から少し登ったところにいいテントサイトがあったので今日はここで行動終了。
真正面には至仏山西面が、振り返れば巻機山なんかが見えていい感じだ。ただし増水は不可。
まだお昼過ぎなので昼寝とか酒呑んだりしながらダラダラ過ごす。
今回の晩御飯は食事は少しサボってレトルト。
次第に日が暮れてくる。
至仏山方面はガスってしまったが、夕陽が沈んでいくほうはいい感じの雲と相まって美しい夕焼けとなる。
最後の光が沈むまで眺め続ける。
夜はガスったり晴れたりで星は見えたり見えなかったり。
15日 爽快な詰めと稜線、迫力のヘイズル沢
翌朝、至仏山方面はガスガス、あれま。
予報では快晴なので登っているうちに晴れることを期待してラーメン啜って出発。
テンバからはゴーロとスラブの小滝を交互に繰り返しながら標高差700mを駆け上がる。
いたるところから岩塔が生える、迫力の至仏山の西面の懐に入っていくのはなかなか爽快。
ホソバヒナウスユキソウなんかもたくさん生えている。
最後の一滴を味わいながら、ブッシュ漕ぎなしですっかり晴れて朝陽に照らされた稜線に飛び出すと、眼下には広大な尾瀬ヶ原が広がり燧がどっしり構えている。
最高の詰め上がりだった。
少しだけ稜線を進んで登山道と合流して至仏山のピークへ。思ったほどではないが人は多い。
尾瀬ヶ原や燧に加え、平ヶ岳や巻機山、朝日、谷川、苗場、越後三山など上越の山々、日光の山々、浅間山、さらに遠くには八ヶ岳、武尊の向こうには富士山の頭も見
えで360度最高の展望だ。
のんびり休憩して出発する。
もう10年以上前に歩いた至仏の稜線は相変わらず気持ちがいい。小至仏から振り返ってみた至仏もなかなかカッコいい。
いろいろ花が咲いていたが 、小至仏の下りのオゼソウ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイの群落はみごとだった。
オヤマ沢田代の分岐を過ぎると人はいなくなり静かな山歩きとなる。
ときおりドロドロの道をうまく交わしたりしながら、名の通り端正な笠を目指していく。
なかなか来ることもないだろうということで、小笠もしっかり登る。
笠はトラバース途中から登る登山道を見落とし、回り込んで登るはめに。
途中にはニッコウキスゲも咲いていた。笠からの眺望も上々、下山先のならまた湖が綺麗に見える。
地図でしっかり下降するアルキノ沢の位置を確認して、下ろしていく。
1600付近までは水流少なく、乾いたスラブの上を下ろしていく箇所も多かったため、靴のままフリクションを効かしながら下ろしていく。段差をちょっとクライムダウンする箇所もあった。
なかなかの炎天下で暑いし、触る岩もけっこう熱くなっていた。
振り返れば笠ヶ岳の西面をいい感じで見上げることができる。
1600mくらいで沢足袋に履き替えて先へ進む。
このあたりは泊まることもできそう。
アルキノ沢は名前のとおり基本的には河原歩きとナメ&小滝を交互にこなしていく感じ。
途中、1500mの滝で左岸から懸垂した。支点は灌木。
美しい渓相に癒されながら下降していくと大きな釜と美しいナメ滝を持ってヘイズル沢が合流してくる。
あまりにも気持ちいいので泳いで遊ぶ。
ヘイズル沢に入ると途端に規模が大きくなる。
地形図では標高差はなく平凡そうに見えるが、実際は そんなことはなく、巨大なナメに豊富な水量が流れ、ゴルジュとなっているところもあり、迫力と美しさを兼ね備えた素晴らしい沢。下ろすのがもったいないくらい。
10mくらいの落差のある滝もポンポン出てくる。
1160m のゴルジュにかかる滝は左岸から灌木で懸垂。
1100mの黒っぽい逆層の滝は右岸から懸垂。灌木で捨て縄使用。
二段15mの滝は右岸からサクッと巻いて降りる。
二段15m を過ぎるとようやく平流となる。
西陽に照されてキラキラ美しい中を下降し、林道の橋へ到達して出渓。時間にして18時だが、あとは林道なので暮れなずむならまた湖を眺めながら歩き続けて車に着く頃には20時過ぎで真っ暗。
しかし、充実の溯下降で大満足。なんどでも訪れたい山域となった。