奥美濃 ヤブ山(ブンゲン1260m)を谷から目指す

6月に久しぶりに奥美濃の沢(石徹川俵谷)へ行き、改めて奥美濃の素晴らしさを感じた。山深さ、人気の少なさ、藪山、雰囲気など、大好きな山域だ。今回の谷は、日本の渓谷97と奥美濃のヤブ山から見つけた。日本の渓谷には「粕川西谷右俣?中俣下降」と紹介され、奥美濃のヤブ山にはブンゲン「滝または滝の美しい沢」西谷竹屋谷?北谷下降と記載され地形図が載っていた。まさか同じ谷のことだと最初は判らなかった。ふたつの本から偶然にも同じ谷に惹かれ、これは行かねば!!と思った。天気が良ければ1泊2日の沢として南紀の八木尾谷も候補に入れていたが、日帰りの粕川にどうしても行きたかった。また、私の苦手とする地図読みの練習にもなると思いこの谷にした。

7月4日

京都駅21:00→京都東IC→関ケ原IC→大平林道 仮眠0:30

京都駅でT子さんをピックアップして大平林道へ向かう。関ケ原IC下りてから長いこと。くねくねと粕川沿いに進み大平林道とかかれた標識をみつけ林道に入っていった。日本の渓谷には西谷林道と書いてあったが大平林道が正しい。道は舗装されていて走りやすい。女性二人で真っ暗な林道をすすむのは気味が悪い。林道が延びてることは事前にわかっていた。地形図に載ってるヘアピンカーブを目指すが無い、まだかまだかと進んでいくと行き止まりになってしまった。あれ?行き過ぎたか・・・。ヘアピンカーブなんてなかったような。地図を見直すがわかりにくく、いったん大平林道出合いにもどることにした。もう時間も遅かったので翌朝明るくなってから再度探すことにして、林道上の少し広いスペースに車を止めて寝ることにした。

7月5

起床4:30→取付→80mナメ→トイ状50m8:45→支尾根10:30→主稜線上11:00→ブンゲン頂上11:20→下降開始11:45→中俣11:55→三筋の滝→右俣出合14:40→大平林道→駐車場15:00→京都駅19:20

取付きをさがさないといけないので早く起床。朝食を済ませて、大平林道は間違いないと思いもう一度林道をすすむ。ヘアピンらしきカーブを過ぎて、初日気になっていた粕川を横切る橋に到着。トポ(日本の渓谷)に記載されてる丸木橋あたりにいるに違いないと思った。とりあえず準備をして入渓することにした。すぐ左にも谷がはしっていて、橋からすぐ下で二俣になってることがわかった。右のほうが水量も多く本流と判断し右の谷に入った。しばらくうっそうとしてる中を歩いたり巻いたりしながらすすむ。薮が多く谷が開けないので間違えたのではと思いいったん取付きまで引き返そうかと悩んでいると、後ろからふたり組のパーティがやってきた。谷で人に出会うなんて珍しい。この谷が竹屋谷で間違いないか聞いてみると、3回もこの谷を遡行してる地元の方で竹屋谷であると返ってきた。でも二俣(北谷と竹屋谷)が判らなかったぞ?!二俣は入渓した地点よりももっと下流にあるらしい。谷を間違えてなかったのでとりあえずすすむことにした。

するとトポにも記載されてる80mのナメに出合った。幅いっぱいの綺麗なナメで自然豊かな木々が美しい。心が癒される。続いて5m二筋の滝や小滝や釜と素晴らしい景観が続く。巻き道もあるが直登で楽しんだ。釜は浸かりたくないなぁと思っていたら、T子さんがかかんに攻める。本日のT子さんは、タイツ、足袋用の靴下を忘れ、短パン、素足に脚絆のみで寒いはずやのに・・・強い。逆にテンションが高いのか?!(太ももあたりが少し赤くなってたけど・・・笑)そしてトイ状50mに出合う。すぐ左から歩いて越せそうだが、あえて我々は直登することにした。足をつっぱってすすむ。苦しいところは助け合いながら、中間部のツルツルはどうにも越せそうになかったのでショルダーで左に逃げた。しばらくナメが続き飽きることがない。だんだん幅は狭まり少しヤブもふえてくるがナメや小滝が続く。小滝をすぎると谷は源頭の雰囲気となりおだやかになった。この雰囲気がなんともいえない。標高1100m手前でトポに記載されてる支流を見つけるが通り過ぎて谷を詰めることにした。この支流へ逃げると藪漕が長そうだったからだ。支流を過ぎると途端に沢の様相は変わる。水も伏流となりヤブが濃くなった。我々は谷を忠実につめるが標高1150あたりでガレガレの壁にぶつかり左の尾根に逃げることにした。尾根にのりあがってからは西方向にすすむ。背丈を越えるヤブ(竹)となる。読んだ記録に熊のことが書いてあったので、鈴をザックに着け、笛を吹きながら進んだ。いつもはトップで藪を漕ぐが、T子さんが攻めるので甘えることにした。笑。ありがとうございました。何度もコンパスで方角を確認し最後は北よりに進んでいくと人の声が聞こえた。あれ?こんな時期にこんな藪山を歩いてる人がいるのか・・・。人の声を聞くととても安心し、稜線まであと少しだと思うと力が湧いた。支尾根に載ってから30分ほど藪を漕いで主稜線に飛び出た。稜線上も藪がすごいのかと思っていたが歩きやすい道だった。アップダウンを繰り返し、時々背丈ほどの笹薮を漕いでひとつピークを踏んでブンゲンに着いた。三角点もあって頂上は広く視界が開けていた。ただ、今回も前回と同様、曇り空で景色を楽しむことは出来なかった。晴れていたら、国見岳や山麓のスキー場が見えるらしい。残念。沢中で一度しか休憩をとらなかったので頂上で長めに休憩をとり下降開始とした。(主稜線から聞こえたハイカーには出会わなかった)下降は東の方向に直下降。ヤブをこぎながら10分ほどで北谷の源頭の支流にのった。しばらくヤブをかきわけながら下る。次第にナメや滝が続いて出だし、クライムダウン出来ない滝は右岸・左岸からとブッシュを掴みながら下る。ナメでは時々滑り台をして遊ぶ。北谷の見物、三筋の滝を左岸から大きく巻いて下った為、眺めることが出来なかった。(懸垂下降するらしい)竹屋谷より登れない滝が多い様な気がした。また、水量も多い様な気がした。竹屋谷に優るとも劣らぬ変化に富んでいて楽しい谷である。次第に谷は穏やかになり、竹屋谷との出合いはまだかまだかと思いながら飽きるほどナメを下る。そして下降開始から3時間弱で二俣に出合った。北谷の右岸が切り開かれていたので林道が走ってるのかと思い沢からあがって確認すると、竹屋谷の上部あたりから大平林道にいる人が見えた。あ!!谷に戻り入渓地点まで竹屋谷を登り返すことにしたが、竹屋谷に入ってすぐ林道工事用の仕事道を発見。現在地点を確認する為に谷からあがることにした。谷から上がった大平林道の地点は駐車地点よりも50?100mほど下だったあたりだった。なるほど!!やっと地形が判った。林道から大きな二俣も確認することが出来た。渓谷97のトポに記載されてる丸木橋への杣道なく、右側の杣道が整備され延びてることがわかった。入渓した地点の二俣は竹屋谷の支流との二俣であることも判った。これですっきり。

入渓点は我々が入渓した地点で良いだろう。二俣からと思ったが、入渓した地点の橋を乗越すことになり、遡行気分がさめてしまう。源頭部のヤブ漕ぎ、地図読み、巻き道のルート工作、ナメ、滝を楽しむことが出来た。地図読みについては、最初に描いたとおりに進むことができて満足。渋い奥美濃、とてもよかった。秋にイソクラ主稜線を歩きたい。

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